BLOG

ブログカテゴリー

「たいへんですね」はご不満? 軽視できない会話の落とし穴

日本語には、便利な言葉がたくさんあります。そして、どのような状況でも無難に交わせる言葉もあります。臨床現場で、ついつい口ぐせのように使ってしまうその言葉。ときには、相手の気分を害してしまうことがあります。

その場で察し合う慣用表現
わたし達は日常生活の中で、複数の意味を持つ言葉をその状況によって使い分けています。そのひとつには、「けっこうです」があります。

この言葉の意味は、「たいそう立派な」「必要ありません」「関心ありません」
といったそれぞれの意味があります。
そして、それらを相手の話の中から意図を判断したり、態度で判断したりしています。

「検討します」には、「実際に前向きに検討」という意味がありますが、その反対に「断り」の意味もあります。これには、日本独特の直接的な表現を避けた、間接的な断りの場面で用いられます。

同様に「すみません」には、「謝罪」「感謝」「依頼」といった意味があります。

これらは、その場にいる人同士が察し合えるものですが、文章にしてしまうと、どちらの意味にも受け取れることがあります。

「たいへんですね」は、不満に思われる?
患者さんとの会話で、このような会話はよくあるのではないでしょうか。
「それはたいへんですね」

「それはつらいですね」

これらの言葉を発するときには、患者さんの訴え・発言をさえぎることにならないように注意します。また、話をよく聞いてから返事をしないと、「表面的な応対」という印象を与えてしまいます。特に、感情が入っていない返答では、相手は不満を感じることもあります。

相手によって言葉を選ぶ

「たいへんですね」
「つらいですね」

これらは、患者さんとのコミュニケーションで、とてもよく使われる言葉ではないでしょうか。

しかし、相手の性格、症状、医療者と患者さんとの信頼関係が不十分な場合には否定的に受け取られる場合があります。

例えば、患者さんの症状やその時の気持ちによっては、
「私の痛みを理解できる?」
「あなたの症状よりも、私の方が特別に痛いのよ」
このように受け止められることがあります。
もちろん、患者さんだけではなく、付き添っているご家族が感じることもあるかもしれません。

ほとんどのケースにおいては、「たいへんですね」「つらいですね」で患者さんやご家族の気分を害することはないのですが、ときには、このように不満に思われることも実際にあります。
医療者としては不本意ではありますが…。

前述の言葉で、気分を害してしまうことはそう多くはないと思います。患者さんの主訴を医療者が受け入れているための表現では、「理解している」ことを相手に伝えることです。それには、患者さんの様子から判断して、なにか受け入れていない姿勢だったり、納得していないような態度だったりした様子がわずかでもあれば、用心します。

「同じような主訴の患者さんがたくさん来院されますけれど、●●さんの症状やお気持ちまでも、わかるわけではないのですが…。」
と一言を添えておくと、そう悪いようにはなりません。



まとめ
日常的な言葉も信頼関係が不十分である場合に、しばしば否定的に思われることがある
患者さんの訴え・発言をさえぎることにならないように注意する

契約・契約後の流れ