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前回、「開業医のオンラインの集患・増患モデル」の第二回。今回は、これからのトレンドになることが確実の動画について解説します。
医師から医師に伝える動画番組
医療系の動画といえば、10年以上前からケアネットが展開しています。学術大会の動画配信では、先駆け的な存在ではないかと思います。わたしがある地域の内科学会準備事務局と運営を担当していた2003年には、すでにサテライトセミナーを含む講演収録をしていましたので、今となっては、動画収録の老舗と言えるでしょう。現在でもドクターTOドクター(B2B)で展開しています。
ついで、エムスリーも学術講演会や手技習得の動画を配信しています。ケアネットやエムスリーは、主に、医師及び医療従事者を対象にしています。
開業医から患者に伝える動画配信を
前述の動画番組は、医師から医師あるいはコメディカルから医学生に伝えるコンテンツが主だったものですが、開業医は、患者に向けた動画配信に取り組むことで、集患・増患につなげることができます。動画には、文字では表現できない訴求力を
有するだけではなく、サーチエンジン対策にもなるのです。
それでは、ここで米国の事例を見て見ましょう。
米国の開業医では、やはり動画マーケティングが盛んに行われています。
“The Biggest Little City In The World” として知られるネバダ州リノ。ここを拠点に活動しているGreenGorillaVideoは、美容整形外科、歯科医師等を中心にした動画を制作しています。
動画のコンテンツには、医師のプロフィール、診療風景、患者の声などを紹介。同サイトによれば、動画制作に当たり、撮影時間は2〜4時間。医師へのインタビューで30〜45分。スタッフのインタビューに15〜30分ほどの時間を要しているようです。
GreenGorillaVideoの紹介動画
【整形外科の動画のコンテンツ一例】
- ・当院へようこそ!
- ・患者の声(インタビュー)
- ・治療方法の解説
- ・疾患・手技等の解説
- ・FAQ
- ・当院へようこそ!
- ・患者の声(インタビュー)
- ・治療方法の解説
- ・疾患・手技等の解説
- ・導入器材の解説
- ・滅菌処理や衛生面の紹介
- ・FAQ
制作した動画は、自院サイトに掲載するほかYouTubeなどの動画サイトやFacebookなどに掲載しているようです。なお、制作費は見つけることができませんでした。
別のコラムでも挙げましたが、動画の優位性についてまとめます。
- ・(文字と比較)多くの情報を伝えることができる
- ・動きで目を惹きつける
- ・(文字や図表と異なり)感情を表現できる
- ・記憶に残りやすい シェアされやすい
- ・SNSシェアされやすい
- ・動画SEO対策(VSEO)
このように動画は、いまだにクリニックにおいては手つかずの状況です。また、先んじて取り組んでいる開業医の動画の多くは、ひとりよがりな内容が多くを占めています。動画には、マーケティングとブランディングの要素をあわせ持っているため、せっかく制作したものも、質が悪いコンテンツでは、マイナス効果になることもあります。制作に当たっては、感性が鈍い業者やマーケティング知識が不足している業者への、依頼はなるべく避けるようにします。動画制作にも、クリニックの理念、院長の考え方、院長やスタッフの人柄などをどのように醸し出していくか。それをどの対象に訴求するつもりであるか。このようなポイントを整理してから制作します。テレビコマーシャルのようにその動画は、クリニックのCMと同じような効果があります。クリニックのイメージともなります。書籍でいえば、表紙に該当します。本には、衝動買いを誘発するようなタイトルとデザインを見かけますが、動画も同様に、「あのクリニックに行きたい」「あのドクターに見てもらいたい」を目標として制作したいものです。あまり低価格にこだわるよりも、少々価格が張っても良いもの制作するという院長の気持ちが重要です。
また、外国語対応ができるクリニックは、外国語の動画をホームページに設置しておきますと、外国のかたから喜ばれます。
日本でも多くのクリニックがホームページを持っている現在、ここから抜きに出るためのマーケティングとして、開業医が注力していくべきマーケティングの方向性を学ぶことができるのではないでしょうか。
